「気」の話

 この写真は、半月前くらいのものです。赤坂エクセル東急ホテルから赤坂見附駅を結ぶ外堀通りをまたいだ歩道橋の階段を下りる途中で、風に揺れる桜の花を見つけました。八重の花弁と濃淡が入り混じった薄桃色はまるでハナモモのようですが、幹には『フユザクラ』というネームプレートが付いていました。赤坂で、秋に、桜を見ることができるのだと感心し、パチリとカメラに収めたものです。

 東京はまもなく紅葉です。木々に生い茂った葉は、夏を惜しむかのように暖かみのある色へと変化し、去りゆく季節を彩ります。木枯らしで一気に裸木に変わると、夜はあちこちでイルミネーションが施されるようになります。1年はあっという間です。

 
 この二週間で、2つの大きな台風が日本列島を沿うように通過し、昨日は木枯らし1号が吹いたとのこと。その影響だったのか、私や私の家族、友人やその家族に体調を崩している人が多く、気圧の変化による身体への影響を実感しました。気圧の変化は、「気」の変化にも似て、急激に変動すると身体が追いつかないこともあるようです。

 タンザニア北部にあるンゴロンゴロ保全地域へ行った時のことです。ンゴロンゴロ保全地域は、日本の阿蘇と同じく、大きなカルデラでできている平原で、標高2400メートルもある外輪を越えなければ入ることができないため、移動は体に大きな負担をかけます。
 車で外輪を登っていると、突然、友人が体調を崩しました。明らかに高山病の症状です。日本国産でありながらかなり使い古されていて、クッションなどほとんど効かないライトバンが、鬱蒼とした山道をかなりの速度で走るものですから、身体は大きく揺られ、どんなに元気な人でも滅入ってしまうような状況でした。
 外輪の頂上を越えると、今度は、窪みのあるカルデラ平原へと降りていきます。すると、どんどん友人の顔色が良くなり、平原へ到着した時には、すっかり元気になりました。

 気圧ひとつとっても、その変化に人間の身体は脆いものです。ですから「気」の変化も、実はかなりの影響を受けているのかもしれません。
 会うと元気になる人、行くと元気になる場所、触れると元気になるモノ・・・。そういうものには「気」の力が働いているのでしょう。互いが、文字通り「気が合う」と、とても良い影響を与え合うし、逆も然り。

 さて、そういうことを思ったのには、ちょっと訳があります。先日、用事があったため都内のある地域に行ったのですが、大きくエネルギーを吸われて帰ってきました。台風や冷たい雨風が大きく影響していたとは思うのですが、自分でも驚くほどに疲れやつれて帰宅しました。こんなに気が合わない場所があるものかと驚きましたが、考えてみれば、東京で長く暮らす中で、ほとんど縁のない場所でした。
 こういう時は、気持ちより身体の方が解りやすく反応します。「あぁ、あの場所は、私にとって縁のない場所なんだなぁ」と思いながら、昔からお世話になっている占い師の方から、「相反するところですよ」と言われたのを思い出しました。
 
 さて、強風が去って、一掃された日本列島。これから、どうなりますことか。気が好転することを祈るばかりです。

 
 


 


 
 

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