眠ることは、癒すこと

 写真は、とっておきのリラックスエリアで熟睡する、我が家のゆる猫Bros.の弟分、貫仁(カンジ)です。

 彼は今年の6月26日に、先住猫である祥仁(ショージ)の弟としてやって来ました。
 片手で持てるほど小さく、軽く、ほとんど聞こえてこないか細い声で鳴いていた彼も、今では我が物顔で部屋じゃうを走り回っています。わが家へ来て、ちょうど2ヵ月。生後5か月が過ぎ、体もだいぶ丈夫になり、病院通いも減ってきました。
 猫派or犬派?などという論議がたびたびなされますが、私は明らかに猫派です。飼い主に従わず、自由&勝手気ままと言われていますが、猫が放つ癒しのオーラは、どんなセラピストでもかないません。
  
 十年一昔とはよく言ったもので、十年で世の中は大きく様変わりしました。時間は疾風ごとく通り抜けていきます。その流れに触れる人たちの価値観や、彼らが創り出す社会は、実に流動的で、変化し続けています。

 歳をとると、今の若い人たちに対して小言のようなことを言いたくなったり、昔のほうが良かったと懐古したくなったりするものですが、これこそが、時代の流れに乗り切れない世代の嘆きというものでしょう。

 今の自分を築く土台となった価値観は、当時の本人にとって必要だったもので、万人に対して通用するものではありませんし、ましてや、社会の常識だと多数の人が支持していた考え方でさえ、今はほんの数年で、大きく変わってしまう世の中です。
 これから社会人になろうとする人にとっては、職業の選択も、私たちの頃とは大きく異なります。なんといっても、従来、人間が担ってきた仕事を、ロボットやコンピューターに代わってもらうような時代です。
 
 私は仕事柄、印刷業界とのおつきあいは長いほうですが、印刷会社に欠かせない人材は、基本色のインクを混ぜて、さまざまな色を作り出す職人さんです。印刷会社にとってクライアントが指定した色の再現は命。インクが入った缶からヘラを使って、適当な量のインクを取り出して混ぜ合わせると、求められている色が一発で決まるという職人技を見せてもらったことがあります。現在の調色のほとんどはコンピューターで制御されており、印刷技術自体も、職人さんではなく、コンピューターを扱える人のほうが重宝されています。

 時代を創るのは人。つまり、時代は生き物なのでしょう。生き物に対峙するには、柔軟性といい加減さが必要になってきます。世の中は、何でもコンピューター任せで、融通が利かないデジタルに追従させられつつありますが、人間は本質的な部分で、余白やアソビを広く持ち、適当であることが、心を削らずに生きる術なのではないかと思っています。

 日々、食べることと、寝ること、ときどき遊んで、喧嘩して、、、猫たちの姿を見ると、心も身体も緩みます。
 「人間ってさ、『頑張る』って口癖のように言うくせに、同じくらい愚痴も言ってるよね。頑張るってどういう意味なのかな?頑張るは我慢するってことなのかな?」
 猫がそう言っている気がします。

 頑張ることは美徳ではありません。素直に向き合えれば夢中になりますし、専心します。つまり、愚痴が出るということは、我慢しているのです。多くの人はそれを『頑張る』と思っているようです。
 無理しない。我慢しない。。。そんな、当たり前のことができるように、たまには猫に見習って、寝る、寝る、、、、寝る。
 休息は、自分を労わる唯一無二の方法です。
 

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